2013/03/03

関心の二極化 〜CSRおたく〜

SustainabilityやCSRに対する企業の関心(=ビジネスに従事する人達の関心)が世界中で高まっていることに異論を挟む余地はないと思います。多くの企業がCSRレポートや統合レポートを作成し、ビジネスのプロセスやプロダクトを出来るだけsustainableにしようとする動きはあらゆる業界で見られます。にもかかわらず、Jのような疑問を持つ人は依然として非常に多いと思います。

「CSRおたく」
だけではダメ
この状況の背景には、sustainabilityやCSRに対する関心が二極化しつつある状況があると感じています。関心を持っている人はとことん関心を持っているのに、そうでない人は全く持っていない。新しい情報やアイディアも、関心を持っている人達の間ではどんどん共有されているのに、そうではない人達が全然巻き込まれていない。様々な専門性を持って働いているプロフェッショナル達が、みな自分の領域でそれぞれ社会的責任を果たしていく状況にしていかなければならないのですが、残念ながら「CSRのプロフェッショナル」以外のプロフェッショナルがCSRに全く関心をもっていないという実態があると思っています。「CSR geek (おたく)」と言っても良いかもしれません。

企業の社会的責任について何となく重要だろうと思っている人は多いと思うのですが、もう一歩踏み込んで調べてみようと行動する人は非常に限られています。やはり出回っている慈善活動、環境保護、法令遵守などのイメージをそのままCSRとして認識してしまい、企業の社会的責任の本来の重要性や可能性が多くの人に認識されないでいるのが現状でしょう。その結果、CSR担当者が孤立無援の状態で必死に旗を振っているというのが、まだ多くの企業におけるCSRの実態だろうと思います。

これまで関心の無かった人達、関心があっても一歩踏み込んでこなかった人達に認識を深めてもらうためには、粘り強く彼らに情報提供をし、何故それが重要なのかを伝えていく努力が必要になるだろうと思います。(言うは易し、行うは難し。)僕の周りのビジネスマンの多くも、ほとんどの場合CSRに対して理解が曖昧だったり懐疑的だったりしますが、CSRにまつわる概念やそれぞれの概念の関係性を丁寧に説明していくと、CSRの理論が体系的に確立されている状況に非常に驚き、かなり興味を持って聞いてくれます。

引き続きCSRのプロフェッショナルとその他の領域のプロフェッショナルが積極的に情報交換をしていく状況が少しでも増えて行くように、地道に努力していきたいと思う次第です。

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